コロナ不況下のバブル経済の行く末を読み解くカギを与えてくれる「錬金術の終わり」のレビュー

コロナ不況下のバブル経済の行く末を読み解くカギを与えてくれる「錬金術の終わり」のレビュー

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2020年2月頃から始まった新型コロナウイルス感染拡大にともなう不況と、それに伴う大規模な金融緩和によって、いま不動産市場や株式市場はバブル化しています。

このバブル経済の結末がどのような形でやってくるのかについて不安を抱き、何らかの見通しを持つことができるかと思い読んだ本が「錬金術の終わり」です。

自分なりに、一定の見通しを持つことができたため、皆さんにも参考になるかと思いこの記事を書いてみますね。

悪い経済状況での金融政策

過去150年間、世界中の中央銀行は「最後の貸し手」として機能してきました。

実際、2009年に発生したリーマンショックや、2020年に発生したコロナショックのときには、大規模な金融緩和を実施したり、銀行システムに流動性を供給してきました。

このおかげで、世界金融恐慌の発生は食い止められましたよね。

とくに去年のコロナショック発生後の、世界中の中央銀行の迅速な対応は見事でしたね。

もし、去年のコロナショックのとき、中央銀行が大規模な金融緩和や銀行システムへの流動性供給を実施しなければ、金融恐慌が発生しましたよね。

不況ですから、あらゆる商品が売れない。

そのため、多くの企業は赤字決算に陥ってしまう。

赤字企業は、追加で銀行から融資を受けなければならない。

ところが銀行は担保を要求します。

しかし、不動産価格や株価は大暴落しますから、担保価値が大幅に下落してしまっている。

この結果、企業倒産が続出してしまいます。

このようなデフレスパイラルの発生を、中央銀行は防いでくれたんですよね。

あの対応で、世界中の人々はほっと胸を撫でおろしましたよね。

中央銀行が抱える「囚人のジレンマ」

いま、日本国内はゼロ金利状態となっていますね。

定期預金がほぼゼロ金利ですし、住宅ローン金利もゼロ金利に接近していますよね。

このため大都市の不動産価格はコロナ不況のなかでも上昇し続けています。

もはや東京都心部では、サラリーマンは新築マンションを購入できない価格水準に達しています。

ところが、不動産バブルを沈静化させようとして、中央銀行が金利を引き上げると、今度はコロナ不況で疲弊している一般大衆の購買力が低下してしまいます。

金融恐慌の発生を防ぐために金融緩和などを実施して、ゼロ金利状態にしたのですが、その結果バブルが発生しています。

そして、バブルを沈静化させたいのですが、金融緩和を止めて金利を上げてしまうと、今度はコロナ不況が長引いてしまいます。

これが「囚人のジレンマ」という状況ですね。

まとめ

「錬金術の終わり」を読んで、確信に近い予想を抱きました。

それは、次に来る展開は「バブル崩壊」だと思いましたね。

結局、コロナ不況から日本経済が立ち直るまでには2年や3年は時間がかかると思えますね。

すると、それまでの間は日本銀行は大規模な金融緩和政策を中止することはできませんよね。

このため不動産価格や株価は上がり続けます。

価格が上がり続けると、誰も不動産を購入できない価格水準に達します。

そこで、バブルが破裂するのだと予想できますね。

そしてバブルが破裂したあとは、金融恐慌が発生するのを防止するために、中央銀行はさらなる金融緩和を推進するのだと予想できますね。

これが現代の錬金術なのだと思った次第です。

金融や経済というのは、同じことをずっと続けるのだと思えますね。