お世辞にも繁盛しているように見えないアートギャラリーが潰れないのは何故でしょうか。アートギャラリーには貸しスペースがあります。このスペース、誰に貸すのかと言うと、もちろん、作家です。昨夏から展示料金を受け取る代わりにダイレクトメール(DM)やホームページで得意先に告知するという商売のギャラリーがあります。こういったギャラリーは、作家から集める展示料金が収入の大きな柱だというわけですね。
一方、異なる事情を持つアートギャラリーも。多かれ少なかれ心当たりがあるかも知れませんが、サイドビジネスでやっているアートギャラリーも結構たくさんあります。つまり、ギャラリーという仕事だけで採算を合わせようと思っていないということです。
ビルオーナーが店主?
例えば、ビルの1階の一角にアートギャラリーがあり、いかにも流行っていないのに、どうやって賃料を払っているのだろう、と思ったら、実はそのビルのオーナーこそがギャラリーの店主だったから賃料など要らない、というようなこともあります。本業はむしろ不動産賃貸業ということですね。これはギャラリーに限った話ではありません。商店街の一等地で、あんまり流行ってなさそうな店を見掛けることって、結構ありますよね。
少し話は逸れますが、一説には、そうした「地主=店主」という店の存在が地方の商店街をシャッター通り化させているという指摘もあります。全ての人がそうだとは言いませんが、確かに、テナント賃料を払う店は必死になって営業しますが、地主なら税金分さえ稼げれば何とかなるから積極策には出ない、というところはあるかも知れませんね。
話を戻しましょう。ギャラリーの中には資産家が趣味で経営している人も少なからずいます。豪華な自宅の一部をギャラリーとして活用している場合なんかはそうかもしれませんね。この場合はビジネスとして成功させる必然性もないので、売り出し中の作家の後押しなど、芸術振興的な色彩も強そうです。